ロンドン留学伝

今回は、大学院と平行で通っていた語学学校の話。
大学院の最初の授業で、まさにネイティブの洗礼を受けてしまい、すっかり凹みました。
とにかくこの1年を無駄にするわけには行かないと思い、いろんなことを考えました。

その結果出した答えの1つが、語学学校に入学することでした。
私が通っていた大学院の学生は、ほぼ全員が社会人、または一度社会人を経験している大人たち。
若い学生とは違い、授業のある日（月、火のみ）以外は顔をあわせることがありませんでした。
なので、大学院に通わない日もできるだけ英語に触れる時間を作る、そして暇な若い学生を探し出して話す時間をつくることが目的でした。

たいていの大学と同じように、私の大学にも語学学校が併設されており、通学の便などから学校はこちらにすぐ決めました。ちょっと仲良くなった日本人からもらった語学学校ガイドにこの語学学校の評判が良く書かれていたのも決め手の一つでした。
語学学校は大学院開始の前に学期をスタートさせており、私が問い合わせをしたときにはすでに2回目の授業が終わった段階。ですが、親切にも（貪欲にも?）入学を認めてくれました。学費はちゃっかり、出席してない2回分は差し引いてもらいました。週3回（6時間分）の3ヶ月コースでだいたい10万くらい。

で、実際語学学校に行ってみると、これが日本人だらけ。
週3回のうち2回は、日本人率7割という状況。これがロンドンの現実でしょうか。
で、週3回のうち2回はGrammerのクラスでした。英会話できるクラス中心で編成してもらったはずなのですが、やはりGrammerクラスでは量が不十分な感じ。内容も結構日本で習ったことの復習に近く、ちょっとタルい。先生への質問をするなどしてなんとか会話の時間を作りましたが、それでも少なかった。

で、残る1つの授業が結構よくて。
テキストなどはほとんど使わず、なんというか英語で表現する機会を作ってくれる授業。
ほとんどの時間が、プレゼンやそのプレゼンの準備、練習に費やすような授業。
プレゼンは全部で2回あったのですが、 1回目のテーマがサブカルチャー。
チームごとに、ヤクザ、ゴシックなど1つのテーマについて自分達で調べた内容を発表するもの。
私はファン（Juan）というスペイン人(右写真)との2人チーム。テーマはUKパンク。
Punkってあまり知らなかったけど、調べてみると結構奥深かった。70年代の停滞したイギリスでの若者の不満が爆発した形、というのが通説ですが、実ははじまりがアメリカであること、SexPistolsのプロデューサーがイギリスに持ち込んでうまく利用した、など裏の事実もよくわかりました。

ファンと調べた内容を図書館などで話し合い、そして2回ほどプレゼンの打ち合わせとリハ。
当日を迎えました。他のチームは、20歳前後のギャル(しかもほとんど日本人)で構成されたチームで、プレゼン自体に慣れてない感じでしたが、よく発表していました。ヤクザ、オウム真理教などあらためて日本文化を知ることもできました。 で、私達の番。ファンのアイディアで、イントロダクションはSexPistolsのビデオを流す。で、他に写真等を使いビジュアルに訴えるプレゼン。打ち合わせたセリフなどもうまく決めて、プレゼン全体がうまくいきました。

プレゼンを準備、練習していく中でファンとのいろんな会話や、プレゼンでのセリフなど、得るものが結構大きかったので、この授業だけはこの後もがんばって参加しました。2回目のプレゼンは、若者がテーマで思春期のことや、自分が思う大人像などをアンケートして、その結果を発表するものでした。こちらはチームが変わり、20歳前後のギャル達と4人で編成したチーム。大人でプレゼンにも慣れたファンとは違い、準備、練習などもスッポかす有様。これが若さってやつでしょうか。 プレゼンもそれなりにまとまりましたが、チームとして全体がうまくいった感じではなく、ちょっといまいちでした。

語学学校の日々は12月のクリスマス休暇までで、あっという間に終わり。
ファン(Juan)は、奥さんの出産があるため一度スペインに戻った。出産はクリスマス明け。
年が明けた1月には、さっそく愛娘や奥さんとの写真を何枚も送ってきてくれました。
6月にはUKに戻ると言い残しましたが、その後会うことはありませんでした。